3つの異なる施術と漢方相談、運動のアドバイスまで。その人その人の症状にあった総合的ケアが可能な治療院。

小田急線・開成駅と大雄山線・和田河原駅をつなぐ大通り沿いにある、大きな看板と庭の可憐な花が印象的な「おの鍼灸接骨治療院」。
院長・小野達之信さんが同治療院を開業したのは8年前。
当初はカイロプラクティックがメインでしたが、鍼灸の可能性も強く感じるようになって免許を取得。
現在は、カイロプラクティック・鍼灸・柔道整復の3つの施術と、医薬品登録販売者としての漢方薬相談、場合によっては運動やリハビリのしかたのアドバイスも含めた、総合的なケアが可能な治療院として、類をみない存在となっています。
その治療の可能性への意欲は衰えることを知らず、月に数回、大阪の鍼や漢方処方も行う西洋医学の病院に通い、経験と学びを積んでいるそうです。
難病に指定されるような方への治療を目の当たりすることで、自身の活動にも活かしていきたいと考えています。

滅菌機の導入で、高価な道具も継続的に使えるように。〝幅広い治療方法の提案〟という院の特性の強化に。

そんな同院ですが、顧客との1対1のつながりを大切にしてきた性質上、その稀有な特徴が広く認知されているとは言えない状況でした。
一方で、年々、同業種の競合は増える一方。
価格やコース設定などで訴求している競合とは異なる、この院の独自性を、より強めて広めていきたい。
そんな小野さんの思いから、足柄上商工会と立てた計画が、「オートクレーブ滅菌機の導入」と「ホームページによる情報発信」でした。
オートクレーブ滅菌機とは、西洋医学の病院には当たり前にある、医療器具を滅菌する機器。
当然針は使い捨てが前提ですが、この滅菌機がない場合、針以外の皿などの付属品も使い捨てになってしまうのだそう。

〝持続可能な運営〟というSDGsの側面からも解決したい問題ですが、それと同時に、同機器を導入することによって、〝吸い玉〟のような高価な治療器具も使い続けることができるようになったといいます。
自然と施術項目が増え、〝ニーズにあった幅広い治療方法の提案〟という院の特性を、より強めることができたのです。

ホームページで情報を発信したことで、来院する患者さんの症状や要望も変わってきた。

そんな新しいスタイルの特徴をまとめ、広報していくために、大いに力を発揮したのがホームページの作成でした。
もともと人から人への口コミを大切にしてきたこともあって、未着手だったホームページなどの情報発信。
けれど、これからのこの院らしい展開をと考えた時に、やはり必須だろうという考えに至っていました。
完成したのは昨年ですが、早くも反響は上々。
「お客さんが、ホームページをご覧になって、ここを探し出していただくことも増えました」
また、来院する患者さんの症状や要望の変化を感じるようになったとも話します。
一般的に、整体や治療院といった場所に訪れる人の動機は「痛みがあるから」ということが多く、小野さんも、当時はその痛みをとることが仕事と考えていたそうです。
それが、近年の取り組みやここでできることを発信していったことで、内科的な悩みや、漠然と調子が悪いというような、今までになかった理由で訪れる方が増えたと言います。
もちろん、そういったお客さんにしっかり対応できるようになっていることが、小野さん本人の自信とやる気にもつながっていました。

より〝生活〟によりそったケアやサポートがしていけたら

今後のビジョンをうかがうと、「その人その人の症状にあったオーダーメイド型の治療」という方向性はそのままに、より〝生活〟によりそったケアやサポートがしていけたら、と考えているそうです。
「例えば、お母さんがイライラしていると子供も楽しくない。でも、お母さんはいっぱいいっぱいでやっている。そこで鍼灸やカイロなどを少し取り入れると、ストレスがおさまって身体も変わってきたりするんです。治療という面だけでなく、そういうものを生活に持ち帰っていただけるようになったら」
わかりやすい痛みや悩みを解決するだけではない、生活を支える治療。
「まさしく、それが自分がやりたかったことと思っています」
そのためにも、「今やっていることをもっと多くの方に知っていただいて、来ていただいた方に技術を提供していきたい」と抱負を語りました。

《本記事は令和5年度伴走型小規模事業者支援推進事業により掲載しています。》

おの鍼灸接骨治療院