中華そば縁 県外から通う人も!「コツコツ」が信条の、ラーメン愛あふれる〝中華そば〟屋さん。 大井松田IC近く、国道255号線沿いにある大きな看板が印象的な「中華そば縁」。 オーナーの山口康太さんは、もともと生粋のラーメン好き。 違う業種の会社で働きながら、あちこちのお店でラーメンを食べ歩き、家でも作り…といった日々を送るうち、「自分でお店をやりたい!」と思うようになったといいます。 修行も兼ねてラーメン屋さんでもアルバイトをしていましたが、そこを辞めることになった際、「いいタイミングかなと」いよいよ開業を決意。 当初は〝こじんまりしたラーメン屋さん〟をイメージしていたという山口さんですが、出会った物件は、なんと広いフロア面積を誇る、国道沿いの駐車場付き。 戸惑いもありましたが、自身の居住エリアだったことと、何より、以前ここに入っていた飲食店に何度か通っていたという縁から、この店舗でのスタートを決めました。 店名に〝中華そば〟と打ち出すのは、「誰が聞いても想像しやすいから」。 ラーメン好きの山口さんからすると、店名を「ラーメン〇〇」とすると、「何ラーメンなんだろう?」と悩んでしまうのだそう。 ラーメンには豚骨や味噌など様々な種類があり、人によって頭に浮かぶ味が違うと話します。 「『中華そば縁』にすれば、ああ、ここは中華そばのお店なんだって伝わるので」 ラーメンを愛する山口さんらしいこだわりと言えるかもしれません。 自分が「こういう中華そばがいいよね」と思うものを 提供するラーメンは、主に3種類。 代表商品は、店名にもある〈中華そば〉。 あっさり系の醤油味のスープに、太ちぢれ麺と大きいチャーシュー、太いメンマ、ネギ。 もともとこの辺りは、〝小田原系〟と呼ばれる醤油味のラーメンの人気が高いエリア。 「ここでやるなら、それを意識した麺やスープに、自分なりの要素を入れてアレンジしたもの、自分が『こういう中華そばがいいよね』と思うものをメインにしたいと思ったんです」 長年の食べ歩きによる独自のリサーチや、修行先のお店での経験や学び、書籍からの情報…山口さんの歩んできたラーメン道の結実ともいえる品目。 一方で、ほかの2種はというと、ガラリと味わいを変え、ニンニクや鷹の爪が入ってピリリとした〈背油中華そば〉と、細麺であっさりとした〈塩そば〉。 期間限定のメニューも含めると、ほぼ4種類の全く異なる中華そばを味わうことができるのです。 ご家族で、恋人同士で、好みの味を、時にはシェアしながら食べることも可能です。 「何でも相談にのってくれるから」 祖父のアドバイスで商工会へ 山口さんが足柄上商工会に足を運んだのは、店舗も決まり、開業準備もある程度進んでいた頃でした。 きっかけは、自営業をしていたお祖父さんに「商工会は何でも相談にのってくれるから行った方がいい」とアドバイスを受けたこと。 サラリーマンだった山口さん、「実はずっとラーメンのことしか考えてなくて。開業届の出し方もよくわかってなかったんです」と笑って振り返ります。 商工会では、開業資金の借り入れや、確定申告を含む経理についてなど、様々なことを相談し、サポートを受けました。 特に行かなければ知らなかったであろう情報が、大井町の空き店舗補助金制度について。 最大30万円の補助。この店舗も対象ということを知り、大井町役場に申請したといいます。 また、そうした面とは別に、商工会の〝青年部〟に参加したことも大きかったと話します。 「おかげで色んな業種の人たちとつながりができました」 ポスティング用のチラシの制作を依頼したのも、商工会の青年部で出会った人でした。 青年部の人たちには普段から店を気にかけてもらい、集まりで個人でと、食べにきてくれることにも感謝の気持ちを述べます。 目標は「5年10年続けられるお店づくり」をしていくこと そんな「中華そば縁」ですが、開業から今までの道のりは順風ではありませんでした。 2023年8月にオープンしたものの、翌9月にお義父さんが亡くなり、10月には自身が動脈乖離で入院。9・10月は、月の半分もお店を開けられなかったといいます。 「お客さんにしてみれば、『あのお店はいつも閉まってる』ってなるじゃないですか。11月にお店は再開したんですが、お客さんがパッタリ来なくなってしまって」 チラシのポスティングはその打開策の一つでした。 地道に根気強く営業を続けていくことで、少しずつ客足は戻ったそうですが、「継続すること」の大切さを強く感じるようになったと話します。 ただ漫然と続けるということではなく、常に〝味〟と〝お客さん〟に心を配りながら、必要であれば改善し、けれど芯の部分は変えることなく、続けていくこと。 特に味については、毎日必ず自身でも食べてチェックしているのだそう。 「やっぱりそこを怠ってズルズルいってしまうと、いずれお客さんに『味が変わったね』と気が付かれて、離れていってしまうので」 目標は、まず5年10年続けられるお店づくりをしていくこと。 「1年営業していても、『ずっと気になっててやっと来れました』ってお客さんが来るんです。5年10年やっていれば、もっとそういう人が来てくれるかもしれない。来てくれれば、またリピートしたり、他の人に美味しかったよって言ってくれるかもしれない…そういう風に、コツコツと地道に、これからも続けていきたいと思っています」 【策定した事業計画】 創業支援融資(創業計画) 中華そば縁 住所:〒258-0019 大井町金子97-1 ※駐車場有 電話番号:0465-25-1059 創業:2023年 代表者:山口康太さん 営業時間:11:00~14:30 / 18:30~21:00 定休日:水曜 UNDER BURGER